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 アカデミー賞6部門7ノミネートで、クリスチャン・ベールとメリッサ・リオが助演賞をダブル受賞した「ザ・ファイター」は実に見応えがある。

 マサチューセッツ州ローウェルに実在する異父兄弟ボクサーの話。兄ディッキー(クリスチャン・ベール)は陽気な町の人気者だが、麻薬におぼれ、警官と揉め事を起こして刑務所に入れられる。弟ミッキー(マーク・ウォルバーグ)はプロモーターの母親(メリッサ・レオ)と兄に振り回され、負け続けている。

 ミッキーには恋人シャーリーン(エイミー・アダムス)ができ、彼女はミッキーに母親と兄から離れることを主張する。やがて兄が出所。ミッキーはイギリスで世界タイトルマッチを戦う。ボクシング映画に駄作は少ないといわれるけど、これは掛け値なしに傑作。まずはマーク・ウォルバーグの素晴らしい体作りとファイティング・シーンをたたえるべきだろう。

 それにも増して、クリスチャン・ベールの個性がめちゃくちゃ光った作品だ。世界で賞を総なめしているのも当然。また"肝っ玉かあさんアメリカ版"を演じたメリッサ・レオが実に強烈だ。

 エイミー・アダムスのがんばりもすごくて、とても「魔法にかけられて」のお姫様とは思えない。兄弟姉妹が9人もいる家族。太めぞろいのミッキーのお姉ちゃんたちの迫力も相当なものだ。いがみ合いながらも一つにまとまる家族。

  ラストのタイトルマッチには興奮した。

  ロッキーが「エイドリアンーッ!」と吼えるシーンにも匹敵するのではないだろうか。

 映画ジャーナリスト 野島孝一

ザ・ファイター公式サイト

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