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 ダイアナ妃の訃報が突然、世界を駆け巡ったのは1997年8月31日だった。もう16年前の出来事だったが、ロンドン警視庁が今夏の8月17日、ダイアナ元皇太子妃の死去をめぐって「新たな情報」を最近入手した、とのことだ。やはり、英紙「デイリー・テレグラフ」によれば、英陸軍特殊部隊(SAS)による関与説が浮上した。

 すでに2006年に英国での死因究明審問では「過失にる交通事故死」との公式結論を出しており、本当の原因は闇に葬られていた。当初、パパラッチがダイアナ妃の車を執拗にバイクで追跡して写真を撮ろうとしたため、ダイアナ妃を乗せた車の運転手がスピードを出しすぎた上に、彼は泥酔していた、との理由が挙げられていた。

 この秋10月18日から映画「ダイアナ」がナオミ・ワッツ主演で公開される。この物語は「ダイアナがなぜ暗殺されたか」のヒントに満ちている。映画はそのような意図で撮影されたわけではないが、英国王室にとって「不都合な真実」をダイアナが振りまいていたことがわかる。それは、パキスタン人のカーン医師との交際である。

 ダイアナは外科医カーンの人柄に触れ、人々の命を救う現場にも立ち会って、ますますカーン医師とも親密になり、何でも相談する関係になる。そして、パキスタンのカーン家族と彼の母親にも、将来の結婚を考えて異国の地に会いに行く。そこには、人種と民族の乗り越えられない大きな壁があることをダイアナは感じるのだった。

 心の孤独感を深めたダイアナは、カーン医師に相談しつつ、「人の命を救う」ための人動活動にのめり込んでいく。アンゴラの対人地雷禁止とその撤去活動に命をかけて、彼女のネームバリューによる影響力を積極的に活用して発信していく。それを苦々しく陰で思っていたのが、英国王室と政府の軍事組織の英陸軍特殊部隊だ。

 アラブ人もユダヤ人も人種差別主義者にとっては同じだ。人種差別の深さがここにある。民族の違う子ども出産への反発と軍需産業の権益の「踏み絵」に片足を踏み入れた邪魔者ダイアナは暗殺の対象になったと思われる。ダイアナの死から3か月、対人地雷禁止条約が成立して、現在までに161か国が調印している。彼女の遺言が実った。

四方繁利

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