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 昭和40年代の土佐。岡田吾一(石橋保)は腕のいい料理人だったが、賭博にのめり込み破滅。そこへ現れたやくざの荒木五郎(宅麻伸)に「カスリコ」の仕事を紹介される。

 カスリコとは、高知の賭場で呼称された隠語で、賭場の客の世話や使い走りでわずかなご祝儀をもらう下っ端の仕事。

 情けなくも必死にしがみつき、やがて客に声をかけてもらえるようになる。客たちの、土佐弁で掛ける声はどこか優しい。

 この映画で繰り広げられるのが、賭博の中でも手本引きという種類。1〜6の数字のうち、親が選んだ一枚の札を推理して当てる。

 吾一は金も溜まり、これで元の生活に戻れるかという時に、現れたのが賭場で伝説の人物(高橋長英)。もう一度一対一の勝負をしたいという気持ちが湧いてくる・・・

 殺陣師という肩書のある高瀬将嗣監督だが、この映画、派手な立ち回りはない。静かに淡々と描かれている。しかし決してそこに物足りなさはない。

 脚本の國吉卓爾はこの「カスリコ」で第26回新人シナリオコンクール特別賞、大伴昌司賞準佳作。2018年11月3日より高知での公開が決定している。

田辺凌鶴

カスリコ 公式サイト

掲載日 2018.9.19
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