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◆ FIPRESCI年次総会報告 齋藤敦子




写真は、新委員の顔ぶれ。左からジャン・ロワ名誉会長、クラウス・エダー事務局長、ダナ・リンセン副会長、アリン・タシヤン会長、ゲオルギー・カルパティ副会長


 南イタリアのバーリで、さる4月6日、7日の2日間に渡ってFIPRESCI(国際映画批評家連盟)の年次総会が開かれ、日本映画ペンクラブを代表して参加してまいりましたので、以下にご報告いたします。

 FIPRESCIは各国を代表する映画評論家の組織が加盟する国際連盟で、現在は日本映画ペンクラブを始めとする49カ国の組織が加盟しています。今回の総会では、1)2013年度の活動報告、2)新委員の選出、3)アドバイザリー・コミティーの創設、4)審査員の派遣、5)スペシャル・イベント、6)その他の6つの議題について、各国代表と委員会、事務局の各担当の計31人で話し合いが行われました。

 1)活動報告としては、各担当メンバーから2013年度の国際映画祭への審査員の派遣、財務報告、ベルリン映画祭などのタレント・プレス(若手評論家のワークショップ)、ホームページの刷新などがありました。

 2)これまで4年間会長を務められたフランスのジャン・ロワ氏の勇退に伴い、新たな委員の選出が行われ、トルコのアリン・タシヤンさんが会長に、ハンガリーのゲオルギー・カルパティ氏、オランダのダナ・リンセンさんが副会長に選ばれました。女性会長はFIPRESCI創設以来初めて、副会長のリンセンさんを合わせて女性2名が委員に名を連ねるのも初めてのことだそうです。なお、ジャン・ロワ氏は全会一致で名誉会長に選出されました。

 3)外の世界に向けたFIPRESCIの顔となるような、各国を代表する著名な批評家3名から10名程度から成るアドバイザリー・コミティーを設置し、会長・副会長からの相談にのってもえるようにしたらどうか、という提案がクラウス・エダー事務局長からなされました。候補にはロシアのアンジェイ・プラコフ、フランスのミシェル・シマン、イスラエルのダン・ファイナウ、イギリスのデレク・マルコム各氏の名前が挙がっています。

 4)各国の映画祭へ審査員を派遣し、FIPRESCI賞を授与することは、連盟の最も重要な活動の一つで、2013年度は70の映画祭に審査員を派遣しました。しかし、映画祭の予算の減少のあおりで、特に航空券の確保が難しくなっており、審査員を選定する自由が制限を受ける場合(地域を限定する、あるいは映画祭のスポンサーである航空会社のチケットに限定するなど)が生じてきています。それに歯止めをかけるためにもホストとなる映画祭へのフィードバックが大切で、そのためにも英語のレポートをオンタイムでHPに掲載できるよう、審査員を務めたメンバーは締め切りを厳守すること、また非英語圏の担当者は、派遣するメンバーの英語力を確認して欲しいとのことでした。

 5)FIRESCIでは各国のメンバーの自由な投票によって年間のベストワン映画<グランプリ>を選出、9月のサンセバスチャン映画祭の開会式の際に賞を授与してきましたが、最近何度かカンヌなどの受賞作と重なったことで、賞の選出方法を変更するかどうかが話し合われました。その結果、まずはこれまで通り、各国のメンバー(日本は日本映画ペンクラブ会員)がその年のベスト3を選んで事務局に提出し、その上位の作品についてもう1度投票するという2段階方式に変更することになりました。

 6)イスタンブール映画祭に審査員として派遣されたドイツ人映画評論家がPR会社の経営者でもあることが判明し、審査員の資格を停止した問題について。FIPRESCIの審査員は映画評論家に限られること。製作会社、配給会社、宣伝会社などで働いている者であると審査の公平性に問題が生じるので、各国の担当は事前に必ずチェックするよう、事務局から注意がありました。

 情報化社会の進展によって、日本でも映画評論をめぐる環境が劇的に変化しています。それはどの国でも同じであり、ますます深刻化していることが、会議の合間に各国のメンバーと話をすることでよくわかり、短いながらも意義深い滞在となりました。

    FIPRESCI担当 齋藤敦子


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