日本映画ペンクラブ

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◆ 8月の例会報告 過ぐる日のやまねこ

 だれもいない山道を歩いていると、いつしかそこは現実ではなく、昔話に出てくるような異空間に思えることがある。

 この映画の背景はそんな山間の村である。

 最初の場面、画家のアトリエらしい。ひとりの男が作品を次々と包装している。そして、ベッドで寝ている幼い娘に声をかける。

「山猫を見に行こう」

 次は都会の酒場で働く若い女。客とのトラブルで店を辞めさせられ、長距離バスに飛び乗って、山間の村へ。

 村の木工所の息子が高校の授業をさぼって山小屋で絵を描いている。歳上の青年がキャンバスに向かう少年に山猫を描くことをすすめている。少年はそこで都会から来た若い女と出会う。

 山小屋の青年は現実ではなく、少年の心の中にだけ住んでいる。兄のような存在だったが、最近亡くなっているのだ。

 少年が絵を描く山小屋は、かつて山で変死した画家のアトリエであり、やがて女の素性もわかってくる。

 2012年、ピアフィルムフェスティバルでグランプリを受賞した鶴岡慧子監督。

 今回の『過ぐる日のやまねこ』はPFFスカラシップにより鶴岡監督が郷里の長野県上田市で撮影したもの。

 映画ペンクラブ例会での上映終了後、鶴岡監督とのQ&Aがあり、会員から好意的な感想とともにいくつかの質問が出された。

 本作品は9月19日に東京のユーロスペース、長野の上田映劇他、全国で順次公開される。

飯島一次



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