日本映画ペンクラブ

事業内容 会員一覧 リンク集 お問合せ 会員ページ




◆ 第63回サンセバスチャン国際映画祭リポート  中山治美




写真は、 「ニュー・ジャパニーズ・インディペンデントシネマ」特集に参加した篠崎誠監督、作品選定の市山尚三氏、塚本晋也監督(左から)。

 スペイン・バスク地方で開催される第63回サンセバスチャン国際映画祭が9月18日〜26日に開催された。オープニングセレモニーでは国際映画批評家連盟の年間グランプリを受賞した『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督も登壇。記念の盾を受け取ったミラー監督は「カーチェイスしているだけのシュールな作品を評価して頂き光栄です」と正直な感想で、喜びを表現した。

 元サンセバスチャン・ホラー&ファンタジー映画祭のディレクターだったホセ=ルイス・レボルディノスが、同映画祭ディレクターに就任してから4年。料理映画部門を新設するなど徐々に自身の趣向をプログラムに盛り込んで来たが、今年はメーン・コンペティション部門に細田守監督『バケモノの子』を選出。アニメーション映画初の快挙だ。ゴールデン・シェル賞(最優秀作品賞)はアイルランドのルナー・ルナーソン監督『スパロウズ(原題) / Sparrows』(アイスランド・デンマーク・クロアチア)が選ばれるなど受賞には至らなかったが、ポスト宮崎駿監督の存在を世界に印象付けた。

 また、特集上映の一つが『ニュージャパニーズ・インディペンデント・シネマ2000-2015』。作品選定を東京フィルメックスのプログラム・ディレクター市山尚三氏が行い、2000年以降に製作された自主映画35本を紹介した。その内容は、諏訪敦彦監督『H story』(2001)から篠崎誠監督『SHARING』(2014)まで、順を追ってみていけば日本社会の変容が分かるという絶妙なセレクション。かつ濱口竜介、真利子哲也、深田晃司、蔦晢一朗ら新鋭の作品を売り込んで、次なる才能をアピール。三大映画祭は今、河瀬直美、是枝裕和、三池崇史ら同じ顔ぶればかりが選ばれるという倦怠期が続いている。今回の上映をきっかけに、彼らの飛躍となることを祈るばかりだ。

 常連の是枝裕和監督は、『海街diary』で観客賞を受賞。前作『そして父になる』(2013)に続いての2度目の栄冠だ。バスク地方は家族の絆を大切にしている事から、同映画祭では家族をテーマにしたヒューマンドラマが好まれる傾向がある。是枝作品と同映画祭の相性の良さを改めて実証した。



Copyright (C) 2011 日本映画ペンクラブ All Rights Reserved.