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 米朝関係は今年最大の外交テーマだが、タイムリーな映画が公開される。

ドキュメンタリー「ワンダーランド北朝鮮」だ。

ベールに覆われた北朝鮮を知るため、韓国出身の女性、チョ・ソンヒョン監督は韓国籍を放棄しドイツ国籍を収得して北朝鮮に入国。

自由に取材活動が出来ない制約下で映画を撮り始める。

首都・平壌、地方都市・元山などでの “普通の人々”への取材は当局の監視下というよりも、かなり自然で等身大の庶民が描かれている。

 撮影は2年前に行われたものだが経済制裁下の庶民の生活はつつましいが生活の知恵も旺盛だ。

それは経済力にあふれ飽食の現在の日本の生活から見れば、どこか懐かしい本来の生活でもあった。

ドキュメンタリーとしての技術よりも、同胞が入国して取材できない国での撮影はそれだけでスクープともいえる。

当局の演出の中で見せられる市民の楽しげな生活。

飢餓で苦しむ苦境を語る脱北者とも違う今までに見たことのない普通の人たちの表情と、南北統一を夢見る庶民の声に断片的国家像の情報が増えたといえる。

角谷浩一

ワンダーランド北朝鮮 公式サイト

掲載日 2018.6.17
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