●日本映画ペンクラブ賞
・山根貞男 編「日本映画作品大事典」(三省堂刊)
三省堂創業140周年を記念して2021年6月刊行された「日本映画作品大事典」は、日本映画の作品を対象にした空前の規模のデータベース。
「日本映画の父」と言われた牧野省三「本能寺合戦」(1908年)から2018年までの100年以上にわたる日本映画を網羅した大事典で、本書に収録された映画作品数は19500本に及ぶ。
山根氏ら執筆陣は、日本映画の豊穣な姿を未来に伝える役割の一旦を果たすという指針のもと、困難極まる戦前のわずかな資料収集をはじめ、最近のデジタルメデイア転換や流通、上映形態変化から、映画そのものの定義の変化など、難しい作業の連続の中で、20数年にわたる編纂の末、本事典の刊行に至った。その努力と功績に対して。
編者略歴
山根貞男(やまね さだお)
映画評論家。1939年、大阪生まれ。書評紙や映画批評誌「シネマ」69 ~ 71の編集・発行を経て映画評論家に。
雑誌「キネマ旬報」に「日本映画時評」を長期連載中。また、朝日新聞の映画評を担当。
『日本映画時評集成』全3巻、『マキノ雅弘 映画という祭り』など著書多数。
『映画監督 深作欣二』『俳優 原田芳雄』など、共著による映画本も多い。