◆ 第2回アジア映画批評家総会報告 FIPRESCI担当 齋藤敦子

第2回アジア映画批評家総会参加者の記念写真。
中央で座っている男性がダッカ国際映画祭ディレクター、アーメッド・ムスタバ・ザマル氏。


バングラデシュの首都ダッカで開催された第2回アジア映画批評家総会(Asian Film Critics Assembly)に参加してきましたので、ご報告します。

 昨年の第1回に引き続き、ダッカ国際映画祭ディレクター、アーメッド・ムスタバ・ザマル氏のご厚意で、ダッカ国際映画祭開催中(2019年1月10日~18日)の1月13日に開かれました。出席者は、トルコ、アルメニア、キルギスタン、タジキスタン、インド、バングラデシュ、中国、韓国、日本の9カ国で、中国からは昨年に引き続き、チャオ・リュウインさんが個人参加しました。なお、議長で元FIPRESCI会長アリン・タシアンさんが急病で欠席することになり、キルギスタンのグルバラ・トロムショーヴァさんが代理で議長を務めました。
前回の会議のテーマは各国の映画批評の状況でしたが、今回はアリン・タシアンさんから事前に出されていた“映画批評へのヨーロッパ中心主義とオリエンタリズムの影響”(the influence of Eurocentrism and Orientalism)について、それぞれが発表を行いました。テーマが難しかったため、発表者の解釈によって内容に幅がありましたが、アジア各国の映画批評の現状を知る貴重な機会となりました。前回から顔ぶれはほぼ同じ、気心も知れてきて、アジアの横のつながりを深めるという会議の当初の目的は確実に達成されつつあります。

 昨年同様、総会に先立つ11日、12日の2日間、アリアンス・フランセーズを会場に、第5回ダッカ女性と映画国際会議が開催され、昨年同様、アジア総会の出席者も参加し、映画研究者の発表を聞きました。
 また、総会後には映画祭に若い映画人との交流会も開かれました。

 今年のダッカ国際映画祭には、日本からシネマ・オブ・ザ・ワールド部門に藤元明緒監督のミャンマーとの合作「僕の帰る場所」と、マールス・マルティンソーンス監督、桃井かおり、イッセー尾形主演の「ふたりの旅路」の2本が出品されていました。
 詳しくは、映画祭のHPをご覧ください。http://www.dhakafilmfestival.org/

2019年05月03日