9月9日、TCCでアルフレッド・ヒッチコック監督の「ダイヤルMを廻せ!」(1954)を立体映像の3Dで上映した。
この映画はもともと3Dで撮影されたが、日本公開時には2Dで上映された。
50年代はテレビに対抗するためシネマスコープなどの大型画面が普及する一方で、3D映画が盛んに作られていた。
今回はビーウィング代表の田中英彦さんが3Dのプロジェクターと眼鏡を提供してくれた。
これは昨年、石垣島で島民に「貞子3D」を見せたときの機材だ。
「ダイヤルMを廻せ!」は「ダイヤルM」(1998)のタイトルでリメークもされた。
アンドリュー・デイビス監督でマイケル・ダグラスとグゥィネス・パルトロウの主演だった。
しかしなんといってもグレース・ケリーとレイ・ミランドが主演する元祖「ダイヤルMを廻せ!」は風格があって見ごたえがある。
グレース・ケリーの美しさは、今の女優とは比較にならない上品さがある。
昔の3Dの眼鏡は紙の眼鏡に赤と青のセロファンを張っただけのぺらぺらのシロモノだったが、今のものは立派だ。
充電をする方式になっている。
ブルーレイの3D画像は特に文字の飛び出しがすごく、劇場の立体画像と差がない。
「ダイヤルMを廻せ!」のような本格的推理映画は、このところほとんど見られないが、それはヒッチコックほどに手際がよく作れる才能の持ち主がいないからだろう。
「殺しのドレス」でヒッチコック再来と騒がれたブライアン・デ・パルマもぱっとしない。
野島孝一