「涙するまで、生きる」
ノーベル賞作家“異邦人”のアルベール・カミュ原作の短編作品の映画化。
カミュといえば「実存主義」「不条理」等が想起されるが、この映画はそんな哲学的で小難しいものではなく、分かり易いテーマが語られる。
舞台は第二次大戦後のアルジェリア戦争時のアルジェリア。
現在も地球の何処かで戦争・紛争がおき、不条理な悲劇が繰り返される。
この映画はそんな悲劇のひとつの解決策を提示する。
我々は様々なカテゴリーに所属している、民族、宗教、国籍等々。
また、争いは「何が正義で何が不正義か?」等、複雑な要素で起こる。
それらを乗り越えたところ・・・
個人と個人の人間関係(Personal Reraitionship)を構築させれば困難な現実を克服でき、紛争等問題が解決できるのでは・・・
そうあらねばならないということでなく、そうなってほしいという願でもある。
いやいや、そんなにややこしいことでないのです。
観終わってなぜか「人が他人を信じるってイイナ。」とホッコリする映画です。
そして音楽が沁みるのです。
沁みる映画音楽といえば『バグダッド。カフェ』の『コーリング・ユー』等があるがそれ以来の心に沁みる映画音楽です。
柳澤 和三
5月30日より、イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー
涙するまで、生きる 公式サイト